ブラジリアン柔術をしていて打ち込みって効果があるか試してみたいと思ったことがあります。
昔の柔道家は木にゴムチューブをつないで打ち込みをしていました。
そこで打ち込みを熱心にしていた過去の柔道家や、打ち込みを重要視しているブラジリアン柔術家について調べました。
【※記事では敬称は略させて頂きました。】
メモ
- 柔道家【柏崎克彦】
- ブラジリアン柔術家【佐々幸範、湯浅麗歌子/国内】
- ブラジリアン柔術家【コブリーニャ、ミヤオ兄弟/海外】
Contents
柏崎克彦/一人打ち込み
見出し(全角15文字)
- 1951年、岩手県生まれ
- 71年、欧州サンボ準優勝
- 80年、幻のモスクワ五輪代表
- 81年、世界選手権金メダル
- 全日本選抜体重別選手権4連覇
- 東海大卒業後、茨城の高校教員として7年間務めるも、柔道部は初心者しかおらず、1人稽古を中心としてトレーニングを行い上記の成績を治める
寝技の柏崎
柏崎先生は茨城の教員だった頃、練習相手が素人に近い生徒しかいなかったそうです。
それで柔道で世界選手権金メダルを獲得したわけですから最早マンガの世界ですね。
練習は一人打ち込みを主軸にして、イメージトレーニングを行っていたそうです(笑)。
柏崎克彦の一人稽古とイメージトレーニング
朝 | ランニング |
昼休み | ウエイトトレーニング |
部活の時間 | 指導しながら白帯相手に反復練習 |
夜 | 学校の校庭で一人打ち込み |
※大学時代 | 稽古が終わってから夜に一人打ち込み |
練習メニューに関しては「寝技で勝つ柔道」柏崎克彦著作に詳しいです。
毎日練習して休みがなかったと述べています。
総合格闘家の青木真也が高校時代に参考にした書籍とインタビューで答えていた事があります。
【イメージトレーニングの実例】
イメージしたものを紙に書いていきます。
まず、試合の戦略。例をするところから始まって、相手が例えば喧嘩四つならば釣り手が欲しいから右に動く、といったようにノートにキーワードを書き込んでいくんです。
例えば、襟を持ったら次は背負い投げに入る。けど掛からない。
今度は同じタイミングで入り背負いと思わせておいて大内刈りで決める。
そうしたら相手は後ろにゴロっと尻もちをついて転ぶから足を捌いて横四方で抑える。
中略
脚てはバタバタ暴れるからそのまま十字に入る。
引用:GONG2015年8月号
戦略をイメージして、足りない技術を練習します。
あらゆる場面をイメージします。
右利き、左利き、相四つ、喧嘩四つ。
最後は表彰台の絵を書き、書き上げたら消しゴムで作った落款を押す。
インタビューまでイメージして内容を考えていたようです。
一人打ち込みもここまで行うと効果はあるでしょうね。
強い人には理由がある。
ちなみに柏崎先生は組手だけに絞った教則も出していて、私は組手の攻防の理解が深まりました。
柔道の本ではありますが、私は柔術において組手争いで非常に役に立ちました。
是非一度手に取ってほしい本です。
佐々幸範と湯浅麗歌子/一人打ち込み
佐々幸範の一人打ち込み
「柔術魂1」で佐々幸範さんが一人打ち込みを毎日365日やっていると言っていた事があります。
パラエストラ東京の昼柔術でも佐々さんは一人打ち込みをしていたのを覚えています。
当時、私は青帯で昼柔術に一時期通っていた時があります。
スパーが終わった後に佐々さんに誘われて一度だけ打ち込みをしたのは良い思い出です。
別段親しかったわけではないのですが、憧れがあったので打ち込み相手をさせて頂き光栄でした。
中井祐樹先生の初心者のためのブラジリアン柔術の技術DVDの中で佐々さんが一人打ち込みをしている動画があります。
ポイント
- 下からの打ち込み
- 上からの打ち込み
- 亀からの打ち込み
とても参考になり、一時期よく真似してやっていました。
よく分からない打ち込みもありましたが、真似していました。
身体操作が上手になります。
効果を実感できました。
日本人には日本人の柔術技術が参考になる事でしょう。
佐々幸範の「矛と盾」技術教則本&DVD
湯浅麗歌子の一人打ち込み
湯浅麗歌子さんはムンジアル4連覇という偉業を達成しています。
佐々さんの弟子です。
佐々さん自身もムンジアル3位。
その後育成した湯浅もムンジアル4連覇。
佐々さんのテクニックの凄さを感じます。
そんな彼が柔術の上達に打ち込みを非常に重視していた事は我々も試す価値はあるのではないでしょうか?
フーベンス・シャーレスの一人打ち込み
コブリーニャはムンジアル4連覇。黒帯に上がってからはホントに一時期は無双状態だった。メンデス兄弟が50/50で膠着させて勝負に臨んで、なんとか倒せたという印象がありました。そのぐらい彼は強かった。
そんなコブリーニャも打ち込みを重要視しています。雑誌でもyoutubeでも1人打ち込みと2人打ち込みをたくさんしている映像を見る事ができます。
彼は筋トレも非常にやっていたけど、テクニックもすごかった。佐々さんはコブリーニャと対戦し負けて、階級を変更しています。なによりテクニックの差が大きかったとインタビューで述べていました。
1:10過ぎからの動きは軟体すぎて真似ができない(笑)
世界を席巻したコブリーニャのスパイダー教則は名作でした。
ミヤオ兄弟の2人打ち込み
私の先輩に聞いたところによると、ミヤオ兄弟は来日した時もずっと打ち込みをしていたそうです。あまりに激しい打ち込みにパンクを感じたと述べていました(笑)
最後に
スパーは楽しいですが、スパーだけで伸び悩む時があります。
技のレパートリーを増やす時に打ち込みは役に立ちます。毎日繰り返すと自然と体が動くようになるでしょう。
これだけの世界的な選手が取り組んで来た事です。こっそり打ち込み練をやってみるのもありかもしれません。