私は柔術の上達が遅い方でした。
上達するのに時間がかかったタイプでした。
自他ともに認める弱者でした。
今、振り返ってみて「弱者が、青帯を取る為に柔術を練習すれば良いか」考えてみました。
今回の記事は、柔術で青帯を取りたいと思う人向けの記事です。
あるいは過去の自分に対する練習アドバイスですね
Contents
上達するにはカテゴリーを分けて準備をしよう!
- エスケイプの準備
- 使用する技の準備
- 体力向上の準備
- 計画表の作成
エスケイプの準備
最初に準備するのはエスケイプの心構えですね。
なぜなら、ほとんどの人が一番最初に直面する現実だからです。
つまり、スパーはやられている時間が長いという現実…。
そのために、勝ったか負けたかだけで判断すると、柔術をつらく思う人がいます。
考え方を変えましょう。
今はエスケイプの練習をしているのだと。
ちなみにハイベルトになるとエスケイプも上手です。
どうやったら逃げることができるか、ロジカルに理解しましょう。
各シチュエーション毎に逃げ方を先生に聞くのが良いです。
- サイドコントロールされてからのエスケイプ(抑え込まれ方はたくさんあります)
- バックからのエスケイプ
- クローズドガードからのエスケイプ
- マウントからのエスケイプ
他にも多数逃げなければならないシチュエーションは存在します。
暴れて逃げるのではなく、なぜそう逃げなければならないか理屈で理解する必要があるのです。
なぜ、そのように逃げるのか、理屈で考えることは、なぜそのように動くのかという柔術の考え方を覚えるのに役立ちます。
そのように理屈で考えることが、柔術上達には必要なのです。
できれば逃げながらハーフガードやクローズドガードに持ち込みましょう。
次の段階へ移ることができます。
※ハーフガードは抑え込まれた状況から、逃げる途中でもっとも多くの時間を費やすシチュエーションだと思います。
勝った負けたで見ないで、技術を細かくみていくのです。
逃げて→ガードへ移行するところまででワンセンテンス。
使用する技の準備
私は思うには「技のエントリー~極め」まで同じ技をひたすら毎日打ち込みをすると体が勝手に動くようになります。
最初の頃はスパーではできない事が多いでしょう。
ですので、打ち込みはスパーとは別に行います。
時間が多くは取れなければスパーの合間に相手にお願いして、1回でも多く打ち込みをします。
柔道で2階級で金メダリストになった内柴正人さんば練習前に打ち込みを毎日していたと動画で語っています。
内柴正人さんの打ち込みは動きに無駄がなく美しいです。
技のエントリーから極めまでの準備
さて、技の選び方ですが格闘技経験がない方ですと、トップを取るには難しいと思います。
ガードのエントリーから選びましょう。
もし、どうしてもトップポジションが取りたければ、レスリングの両足タックルと片足タックルを練習に参加する日は打ち込みすることをオススメします。
例えば、ガードへのエントリーから打ち込みは始める場合は以下の通りに考えます。
あくまで一例です。
- ガードへのエントリー
- 得意のガード→スウィープor極め
- スウィープ→パスガード
- 抑え込み→極め
これだけでも4段階の工程が存在するわけです。
さらにこの4段階を細かく理解するためにスパーでできなかったことがあれば先生に質問しに行きます。
そして、より打ち込みの精度を上げます。
おそらく、修正ポイントを追加する毎に打ち込みも変化していきます。
もし可能なら一人打ち込みも作っていきます。
日本トップの柔術家/橋本知之さんの一人打ち込み
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ノートをつけて打ち込みの回数や頻度を数字に取ります。
数字が増えていくと、いつかスパーでかかるようになります。
技を知りたければ技術DVDも手に入れることも悪くありません。
レビューで高評価/早川光由さんの技術DVD
基本的な技を分かりやすく説明しています。
とても体系的です。
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組手の仕掛け(相手の嫌がる組手)の理解
自分より運動神経が良い人を相手にするには、相手の道着を数か所持つ必要があります。
反射神経が優れているなら、道着を数か所持つことで早いゲーム展開から遅いゲーム展開にしなければなりません。
要するに動けなくするのです。
どういう組手だと相手は動けなくなるか考えたことはありますか?
この形になれば相手は動きにくいという組手の形を理解することです。
例えば、相手の片袖をこちらは両手で持つだけでも相手は動きにくくなります。
レスリングのツーオンワン、柔術では片袖片襟【かたそでかたえり】と呼んだりします。
レスリングと柔術では技術的に少し違いますが、戦いのときに相手の片手を両手で防ぐだけでも相手は動きにくくなります。
相手のズボンを持っても、帯を持っても動きにくくなります。
名称が存在しないけど、相手は3カ所をつかまれるとゲーム展開はスピードゲームからスピードダウンします。
プロmmaの世界でも寝技に定評がある某ファイターは、3カ所制限をかけるという表現で話していました。
私は今もその言葉通り、相手がどうすれば動きにくくなるか、3カ所制限をかけるように考えています。
その時点ではどのような技をかけるかは考えていません。
あくまで、相手も動きを見て制限をかけて、より動きにくくするにはどうしたら良いか観察しています。
体力向上の準備
普段のスパーリングとは別で準備すると良いでしょう。
何をもって向上したと考えるかですが、数値で測ります。
体力の向上は大きく2つにカテゴリー分けをします。
以下の2つです。
有酸素トレーニング
私は格闘技において有酸素トレーニングと筋力トレーニングのどちらかしか時間が取れないとしたら、有酸素トレーニングを選びます。
特に柔術では道着をつかむことで、相手との戦力差を埋めることがしやすいので、筋トレより有酸素トレも方が即効性があると思います。
特にランニングは非常に効果が出やすいです。
時間で計測しても良し。
距離で計測しても良し。
週でランニングした回数で計測しても良いでしょう。
エスケイプが上達してきて、さらに体力で相手を上回ることができれば、スパーでかなり手ごたえを感じることができるようになります。
最近では心拍計がついた腕時計が出ています。
GPSもついていれば距離とルートも計測できます。
データを取って、数字で向上が分かれば自信にもつながります。
メンタルは体力と筋力の向上で大きく変わります。
トレーニングのお供に心拍系付き腕時計は非常に役立ちます。
何が良いって漠然としたトレーニングではなくなるので、数字が向上していけばトレーニングのモチベーションが上がります。
K-1でカリスマだった魔裟斗さんはランニングを重要視していました。
オーバーワークかどうかは血液検査をして乳酸の数値で判断していたと述べています。
トレーナーが疲労度を数字で説明して、初めて魔裟斗さんは納得したと言っています。
主観ではなく、客観的データで見るようになったそうです。
魔裟斗さんが語るトレーニングと数値の話【貴重です】
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筋力トレーニング
筋力トレーニングはウエイトトレーニングや自重でのトレーニングのどちらでも構いません。
ウエイトトレーニングの場合はベンチプレス、スクワット、デッドリフトのビック3をすれば効果が上がりやすいです。
自重トレーニングは擦り上げ、懸垂、四股が効果出やすいです。自重トレーニングは頻度は毎日でも良いと思います。いずれ体が順応します。疲れたり痛みがあったら休みましょう。私は懸垂とケトルベルを主に使っています。
ウエイトはするには時間がとれないので自重トレーニングを選択しています。ほんとはウエイトもやりたいです。
計画表の作成
上記を踏まえて週あるいは月で計画を作成します。
- エスケイプをシーン別に準備
- 打ち込みの種類の選定
- 打ち込み×回数
- 体力の向上
- 筋力の向上
こういった事を準備して計画に落とし込んで行きます。すると「体力、筋力、打ち込み」は数値で把握できます。数値は向上していくでしょう。
「打ち込み、エスケイプ」は事前に何をしたら良いか準備できます。
計画を立てる事の重要性に関して、世界柔術選手権3回優勝し数々の実績をあげたベルナルドファリアがコメントを残しています。http://cafe.quietwarriors.com/?eid=871867#gsc.tab=0