組技格闘技をしていると「ウエイトトレーニングをしているのに自分より重量が上がらない人に
力負けしたことはありませんか?」
「自分の方が力が強いはずなのに」
「相手はウエイトトレーニングしてないのにおかしいな」
私も経験があります。
今回は「対人競技で組力を増やすにはどうしたら良いか」という事に特化したトレーニングの本を
紹介したいと思います。
その名は「ロシアンパワー養成法」!
今はどうか分かりませんが、以前はこの本の紹介帯がパラエストラ東京の代表の中井先生が
推薦していました。
発売当初から格闘愛好家の間で話題によく上がっていた本で、近年では石井慧さんが影響を
受けたとTwitterで述べていた印象があります。
Contents
ロシアンパワー養成法の概略
この本の目的は格闘技で強くなる事
最初に「手段と目的の違いをハッキリさせる」と書かれています。
- 目的・・・格闘技で強くなること
- 手段・・・トレーニング方法
いつの間にか手段と目的が変わってはいけない。
あくまでトレーニングが強さにつながることだそうです。
思えば、私はベンチプレスの数値を追いかけてたりしました。
遠い目...。
目的と手段が逆転した例でしょう。
ロシア式トレーニングについて
著者の足立さんはロシアへサンボという組技格闘技を学ぶためにロシアに留学しています。
ガチですね。
サンボとは
サンボは旧ソ連で国内の様々な民族格闘技を融合して作られた格闘技です。
少し昔であればPRIDE王者のヒョードルや近年であればUFCで無敗で引退した王者ヌルマゴメドフが有名です。
ヒョードルのトレーニング映像【ロシア式トレーニングが随所に見れます】
https://www.youtube.com/watch?v=y3SnCwSZbI8
ヌルマドゴメフが幼少時に小熊とレスリングする様子
https://www.youtube.com/watch?v=u8pQmondFno
クマと戦うなんて...幼少時の過ごし方が違う(笑)
親父もスゴイなと思います。
自重もしくは軽~中程度の重量を使い反動をつかいながら毎日トレーニング
著者はロシアに留学する前は60キロの体で120キロのベンチプレスを上げるほどの筋力で、
サプリも多く取っていたそうですが、力負けすることがよくあったと述べています。
ところがロシアで見た練習風景は西洋式の近代トレーニングとは大きく異なっていたそうです。
そして、ロシア式トレーニングを始める事になります。
ビックリするほど力が増えたそうです。
以下簡単にご紹介。
- 超回復は無視(毎日トレーニング)
- 反動を利用する
- 使用する重量は軽~中程度あるいは自重
- 各種目の回数は30~50回
- サプリメントはとらない
著者 足立弘成さんについて
1970年生まれ。島根県出身。
高校時代は柔道部に所属。
高校二年生の時にハバロフスクサンボツアーに参加します。
サンボの魅力につかれてサンボの練習を始めます。
平成3年、第17回全日本サンボ選手権大会男子シニア62キロ級優勝。
現役当時のニックネームはヒットマン!!!
サンボの普及に努められています。以下HP。
http://sombolabo1.web.fc2.com/
ロシア式肉体改造トレーニング
初級編
- 自重を利用したプッシュアップやチューブトレーニング
- 回数30~50回
- 基本毎日
- 反動を使う
基本、自重でトレーニングします。
ですのでお金がかかりません。
格闘技を続けながらスポーツジムに入会しなくて良いのはお金の面で助かります。
初級編で唯一お金が発生するのはチューブです。
書籍の中でセラチューブというチューブが勧められていたので購入しました。
トレーニングの強度としては高くはなく、疲労も慣れれば特に問題ないと思いました。
上級編
- ディップス(30~50回×5セット)
- チンニング(30~50回×3~5セット)
- クリーン左右(30~50回)※ケトルベル体重の1/4の重量を使用)
- 他(ハンマーやケトルベルを使用する他の種目)
- その日の体調に合わせ、種目メニューや回数は変更可
- 基本毎日
- 反動使う
上級編は懸垂台とケトルベルが必要で購入しました。
私はウエイトトレーニングも週2回行っているのですが、チンニングとケトルベルは
ウエイトトレーニングよりも効果が実感しやすいと思いました。
どうしてかなと考えるに、自重あるいは中程度の重りを反動を利用してトレーニング
するので心肺機能の強化という側面があるように思います。
つまりスパーで疲れにくくなるのです。
そういう意味では格闘技に向いているトレーニングは高重量低回数のものよりサーキットの方が
効果を体感しやすい気がします。
また確かに組み力は明らかに強くなります。
この辺の組み力に関しては「四股鍛錬で作る達人」という書籍でも似たエピソードがあります。
日本の古来のトレーニングの発想はロシア式と似ています。
四股鍛錬で作る達人の感想
もし我流ではなく専門家にトレーニングを習ってみたいなら柔道強化選手やオリンピックメダリス
トが通っているサンプレイというジムをオススメします。
ただ毎日継続するのはけっこうキツイです。
2~3種目/1日で良いそうなので続けています。
1年続けてみてブログにも成果を書いてみたい気持ちもあります...あくまで挫折しなければですが。
自信はありません(笑)
最近の私は体力向上のためにランニングもやっています。
ガーミンというスマートウォッチを使用してデータを取っていますが、これがなかな有能です。
走ったルートが自動計測できて、スマホで確認できます。
カロリーや心拍や最大酸素摂取量などのデータも取れます。
睡眠データも取れるので日常習慣から見直しができます。
向上した部分が数字で分かるのが良いです。
別記事:柔術の体力向上の為ガーミンを使用してランニングした話
サンボの投げ技と関節技の技術講座
サンボの組手の特徴は柔道の組手の特徴を比較すると、反則の組手が少ないです。
柔道はお互いに組手をつくらなければならないのに対して、サンボはこちらだけが組手を作れて、
相手は組手が作れないようにする戦略が随所にあります。
そういう意味ではブラジリアン柔術と近いです。
例えば、ピストルグリップという袖を絞ってピストルを持つように持つ組手がありますが、
柔道では反則です。
また、ロシアンタイというロシア人が好んで使用する組手もブラジリアン柔術練習をする上で
役に立ちました。
関節技に関しては「腕十字と足関節」について章が割かれています。
腕十字のクラッチの切り方やアキレス腱の極め方は参考になります。
回復法
これだけ毎日トレーニングすれば疲れることでしょう。
そこで疲労回復についても述べられています。
積極的休養と完全休養
疲労を回復する為には完全休養をするのではなく、軽くランニングをしたり、水泳や縄跳びなどをすること
が勧められています。
入浴回復プログラム
サウナを利用したり、熱いお風呂と冷たいシャワーを交互に30秒ずつ浴びて疲れを取る事を推奨されています。
最後は冷水シャワーを浴びてお風呂を後にします。
私も試しましたが、睡眠が深くなる印象があります。
ただし、冷水シャワーを長い時間浴びていて風邪をひきかけたことがあるので注意が必要です。
食事とサプリメント
なんとプロテインをはじめとするサプリメントを取りません。
ロシアでは1食でバケツ一杯のジャガイモを食べるそうです。
ウームGI値とか気にしないということなんだろうか。
この食事の話は私はけっこう面白かったです。
【朝食例】
じゃがいも大6~7個、豚肉のブロックを細かく切って炒める。
卵も4~5個焼いて食べる。食後は紅茶。
でも体はバキバキになったそうです。
著者の写真がありますがめちゃくちゃゴツイです。
ちなみに私はプロテインを摂ってます(笑)
健康診断でひっかかっている身としてはロシア式の食事法は試せなかったです。
ヨーロッパで人気の安いプロテインがオススメ。
味も60種類以上から選べますよ。
私の周りのボディビルダーや格闘家は愛用している人がかなりの人数になります。
めちゃくちゃ安いです。
ご参考に↓
最後に
いかがでしたか?
もしスパーリングで力負けしやすいと悩んでいるなら一度試してみてはどうでしょう。
柔道の強化選手やレスリングエリートもチンニングやロープ登りを積極的に行っている話はよく聞きます。
思い立ったらぜひ行動に移してみて下さい。
年を取ったから分かりますが、生まれ変わるなら生きてるうちに。