長らく柔術を続けてきました。
飽き性の私がなんと17年も継続してきたことになります。
現在は茶帯です。
柔術を始めたころは青帯になることが遠かったです。
白帯から青帯に上がるのに3年ぐらいかかったと思います。
そういう意味では私はセンスがありませんでした。
早く辞めると思われていた1人だったと思います。
なんとか白帯時代をサバイブして週5日ペースで練習を何年も続けました。
そういうわけで現在の自分に関してはある程度満足しています。
ですがそれでも、もっとこうすれば上達が早かったり、もっと高いレベルになれたかもしれないと思ったりします。
もし、自分が今から過去に戻って柔術を始めるなら、このような練習法や考え方で取り組むであろうと
思うことについて書きました。
今回の記事は柔術初心者に伝えたい上達法です。
Contents
フィジカル強化から逃げない事
柔術は力を使うことをあまり良しとしない風潮があります。
相手にやられたとしても「今のは力でやられたから気にしない。」といった意見です。
私はこの事は半分正しくて、半分間違っていると思います。
まず、力で解決を図ってしまうと技が伸びないのは確かです。
そういう意味ではフルパワーでスパーをすると技術が伸びていきません。
人間の身体は不思議なもので、ある程度は力を抜きながら技を練習しないと技が使えなくなるんですね。
黒帯に柔らかく制圧されていった経験が皆さんもあると思うのですが、それです。
達人的な柔術の技に魅了された人もたくさんいると思いますし、私もそうでした。
反面、日本の柔術界にありがちなのはフィジカルを強化しない文化が往々にしてあります。
自戒を込めて言いますが「フィジカルから逃げてはいけない」と思います。
やはり柔術も格闘技なんです。柔道、レスリング、プロの総合格闘家は肉体を強化します。
彼らとスパーをするとフィジカルの重要性を痛感します。
コアに練習を続けると、練習仲間も大体は長年組技格闘技をしている連中になります。
技術の前に最低限フィジカルで渡り合えなければ、技術はつぶされます。
それでいて矛盾した言い方になりますが、フィジカルの強化に努めながら、
普段のスパーは力を抜きながら技を中心とした練習に取り組むのが良いと思います。
フィジカル強化は長期間、計画的に取り組んだ方が良いです。
効果が出るまでには数年かかるという実感があります。
ハイベルトになると力が弱い人はあまりいません。
ウエイトトレーニングや補強トレーニングに取り組んで損な事はないです。
短期的ではなく、長い年月をかけながら肉体を強化した方が良いです。
逆に言えば、肉体を強化するのは長い期間かかります。
3年後を見据えて取り組まれると良いです。
私は技術編重でやってきて後になり後悔した1つです。
もっとフィジカル強化をしていたなら今より良い柔術家だったと思うのです。
やらないよりはマシなので現在はウエイトトレーニングも補強トレーニングもたしなみ程度には継続しています。
以下の画像は柔道でオリンピック2連覇を果たした内柴正人さんのTwitterから引用です。
これで毎日の練習メニューの一部です。
これで一部です。
大事な事なので2回言いました(笑)。
私はウエイトトレーニングを近所の区の施設で週に2回行っています。
1回につき1時間ぐらいです。安価な値段で利用できます。
ベンチプレス、スクワット、デッドリフトのビック3がメインです。
もし、ウエイトの時間が取れなければ自宅で補強をするのも良いと思います。
私は自宅にケトルベルと懸垂台を購入してだいたい毎日朝起きたら行っています。
ただし、そこまで全力ではしていません。
年齢が上がってモチベーションが落ちました(苦笑)。
人生には打ち込める時期があります。
やれる時に全力でやりましょう。
やりたくてもやれない日がある日やってくることもあります。
悔いのないように継続しましょう。
自宅にスペースがなければ懸垂は公園でもできます。
ランニングも素晴らしいと思います。
やれることをするのが良いでしょう。
自重トレーニングや超回復に関しての著名なアスリートの練習メニューの記事
を書いたことがあります。
全てエビデンスをつけています。
もし良ければご参考にどうぞ。
もしプロのトレーナーをつけて肉体改造したいなら柔道のメダリスト達も通っているサンプレイのサーキットトレーニングは、格闘技を本格的にやりたい方にオススメします。
ブラジリアン柔術の道着レヴューの記事も書きました。
良い指導者を選び、習った事を反復する
私のブラジリアン柔術の先生は柔術家とし大変研究熱心な方で、
定期的に海外でも技術向上に努めて来られました。
質問すると必ず回答が返ってきます。
技の成り立ちがどうしてそのようになっているのか分解して指導してくれます。
さらにそこに先生の解釈も付け加えてくれます。
技の枝葉ではなく、なぜその技の原理原則の部分を教えてくれます。
だから単純に技を暗記するのではなく、原理原則を自分で解釈して
応用することができるようになります。
これが価値として大きいと思います。
技術DVDで見ただけでは分からない部分が大事なのです。
技の名前がつかないディテールの細かいところなどは指導者に
直接習わないと分からないことが多いです。
良い指導者を選ぶだけで上達はある程度約束されています。
もちろん、自分が練習することが前提ではあるのですが。
つまり、良い指導者を選ぶと上達のスピードが全然違います。
人格も優れた人間的に尊敬できる指導者にならうのが良いと思います。
私の道場には他道場から移籍して、急激に上達した人たちもいました。
相性もあると思うのですが、柔術を習うには柔術を専門にしてきた方に習うことをオススメします。
ちなみに私は柔術の習い始めに試合に出ても勝てず、今の指導者の先生に習うようになりました。
私は最初が相当弱かったタイプでしたので、上達に時間がかかりましたが、段々と勝てるようになりました。
その後たくさん試合しましたが、白帯の時に初めてトーナメントで優勝した時が一番うれしかったです。
先生に感謝しています。
写真は青帯の試合で袖車(そでぐるま)という絞め技で下から相手の首を絞めている私。
「青帯になる方法/ブラジリアン柔術」は別記事にしました。
引っ越しの時にメダルはけっこう捨ててしまいましたが、賞状は残っていました。
メダルも探せば、まだ押し入れの中にあると思うのですが、物より思い出な私です。
反復して繰り返す事で物事を覚えていく
車の運転も初めての頃は、大変だったことでしょう。
運転初心者にとっては初めて道路に出る時には、大きい集中力が必要だったはずです。
しかし、慣れれば一連の行動はほぼ無意識にできるようになります。
同じ事が柔術でも言えます。
つまり使う技は次第に無意識にでもできるようになります。
逆に言えば、使わない技はだんだんと忘れていきます。
考えなくても体が自動的に動けるぐらいまでやりこまなくてはなりません。
スパーリングで使用する技はなるべく限定した方が習得は早くなるでしょう。
反復すればするほど上達していきます。
スパーリングで使用ができないほど、相手と実力差があるなら、打ち込みを続けることです。
左右交互に20回ずつ毎日続ければ次第にできるようになります。
意外にハイベルトでも実際に何度も使用する得意な技は多くはない印象があります。
特に実力が拮抗すればするほど、シンプルな得意技を使用していることが多いです。
理解する事と慣れる事は別である
先生に習っている時は技の成り立ちを理解することです。
組手の一つ一つに意味があります。
なぜ、この時にこの組手になるのか必ず理由があります。
まずは理解する事に集中することです。
次に習った技を体にしみこませる必要があります。
無意識に体が反応するくらいに繰り返しましょう。
何度も何度もやるべきです。
「頭で理解して」→「体が覚えている」レベルにもっていくことです。
私は「体が覚えている」レベルは最低でも500回の繰り返しが必要だと思っています。
さらにはスパーで100回以上かけることができてモノになってきたと言えると思います。
自分の実力がついてきたら帯の下のクラスに得意な技を何度もかけて体に覚えさせてゆきます。
打ち込みパートナーを作る
それでも道場に通い始めた初期の頃は、技をかけれる相手もいないことでしょう。
そういう時には打ち込みパートナーを作りましょう。
打ち込みだけの時間を作ってお互いに5分ずつ技をかける時間を作ると上達が早いです。
週に1度、打ち込みの時間が取れると良いです。
スパーで使用できるようになれば、スパーが打ち込みと同じになってきます。
打ち込みを重視する世界的に活躍した柔術家たちの記事を書きました。
ケガには注意しましょう【すぐタップをしよう】
大事なことは柔術を継続することです。
継続していれば必ず強くなります。
続けるためにも早めにタップをしましょう。
私はキャリアの浅いころにはタップをしなかったし、遅かった自覚があります。
そのせいで落ち癖がつきましたし、靭帯損傷のケガもしました。
恐ろしいことに靭帯は経年劣化して、その後なんてことない動作で足首を脱臼して手術するはめになりました。足首を脱臼して手術した話。
タップしなければならないポジションになった時点で負けです。
対処するのはその前段階ですね。
ケガをすると復帰に時間がかかります。
腰痛に効果があったグッズの記事も書いてみました。 続きを見る
よろしければどうぞ。↓
腰痛に効果があったグッズたち
オススメの技術DVD
私は技術オタクだったので、たくさんDVDを観ましたが、柔術の初心者の方に1本だけどれか
オススメのDVDを選ぶならサウロヒベイロのDVDを勧めます。
サウロヒベイロはムンジアル世界選手権を4回制しています。
調べてもらえば分かりますが、柔術家として輝かしい経歴です。
地味なハーフガードを使う選手です。
際立った身体能力は感じませんが、ヒクソングレーシーの一番弟子と呼ばれています。
見栄えの良い派手な技ではないです。
今はやりのモダン柔術でもないですが、身体能力が低い人でもできる万人にできる技術の話です。
技の原理原則について語られています。
正直、たいへん参考になりました。
折に触れ何度も見ました。
今回、記事を書くにあたり、少し見てみようと思いましたが、見てみたら止まらなくなりました。
今でも発見があります。
ゆっくりな動きなのに、ゆっくりと蛇に飲み込まれていくように相手は動けなくなっていきます。
これを見ると重要なのは相手より早く動くことでもなく、相手より腕力で勝ることでもないのが
わかります。
相手が動けなくなるポイントの理解が分かると相手を支配する時間が長くなります。
このDVDが唯一残念なのは全編英語なことです。
まあ、それでもブラジル人がしゃべっている英語なのか聞き取りやすいです。
私は英語の勉強にも使っています(笑)。
まだ見たことがなければ一度見てみることをオススメします。
私の先生は柔術を志すなら誰でも一度は目を通さなければならない、
教科書のような存在と言っていました。
さて今回は以上です。
柔術に関してはまた記事を書いてみようと思います。