- 皆さんは財務諸表を読んで、目で見て分かりやすくグラフになっていれば良いなと思った事はありませんか?
私はあります。
最近、[「 決算書の比較図鑑 」著者/矢部謙介さん]の書籍を読みました。
その本には財務諸表を比例縮尺図というグラフで表していました。B/SもP/Lも視覚化されており、大変わかりやすかったです。
例えば同業他社のA社とB社を比較した場合、数字だけの比較よりもグラフを目で見る方が、頭に入りやすいです。
私は個別株をやっているので財務諸表をグラフ化するのは非常に意味があると思いました。
さっそく、自分でも早速エクセルで作成してみました。
慣れると作成は簡単になります。
今回は財務諸表を比例縮尺図で作成する方法を記事にしました。
比例縮尺図の完成型
比例縮尺図の完成イメージになります。
例えば、会社の財務諸表を数年作成してみるのも良いでしょう。
視覚化できると気が付くことも多そうです。
あるいは同業他社の比較も面白いかもしれません。
財務体質が同業種であっても違いが目に付くはずです。
比例縮尺図の作成
まずはお好きな企業のIR情報から決算書類を入手します。
財務諸表をグラフ化する時に、使用する「科目」は何を使用するかはご自身の考え方によります。
あまり細かく科目を設定するとグラフが見にくくなってしまいますので、ある程度大枠で数字を捉える方がグラフ作成はしやすいです。
〇「科目」の例
<貸借対照表>
・固定資産、流動資産、固定負債、流動負債、純資産
<損益計算書>
・売上高、売上原価、営業外収益、営業外費用、特別収益、特別損益、利益
以下の様にエクセルに財務諸表を記載します。
貸借対照表 (単位:百万円) | 損益計算書 (単位:百万円) | |||||
科目 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | ||
損益計算書 | 売上高 | 540 | ||||
売上原価 | 300 | |||||
販管費 | 100 | |||||
営業外収益 | 50 | |||||
営業外費用 | 30 | |||||
特別利益 | 10 | |||||
特別損益 | 20 | |||||
純利益 | 110 | |||||
貸借対照表 | 流動資産 | 300 | ||||
固定資産 | 210 | |||||
流動負債 | 200 | |||||
固定負債 | 200 | |||||
純資産 | 110 |
Contents
エクセル内の科目を反対に並べ替える
エクセルの内容をグラフ化する際に、どうも科目が反対に表記されてしまうので、面倒ですが私は以下の画像のように並べ替えしています。
グラフは2-D縦棒を使用する
エクセルの①「範囲を選択」し、②「テーブルを挿入」します。
③「グラフは2-D/縦棒を選択」します。
「データの選択」→「行と列の切り替えを行う」
エクセルで作成したグラフの④「プロットエリア」を右クリックし、⑤「データを選択」を選びます。
続いて、⑥「行と列の切り替え」と⑦凡例の系列の空白の☑をはずします。
先ほどエクセルで作成した財務諸表の並べ替えをしないと、ここで科目が逆に表示されてしまうのです。
ちなみにここから並べ替えもできるので、どちらでもお好きなやり方を選べば良いでしょう。
要素間隔を0%にして、表示するグラフラベルを選択
グラフにカーソルを合わせ、右クリックし⑦「データの書式設定」を選択する。
⑧データ系列の書式設定から要素間隔の%を0に設定する。
⑨グラフ要素をクリックし、表示するラベルを選択する。
私は凡例のみ☑を外しています。
グラフ内に「文字と数字」を入力
⑩使用するデータラベルを追加します。
グラフ内に「科目と数字」を入力していきます。
一つ一つ入力するので手間がかかります。
⑪グラフ内に「系列」と「改行」を入力して「科目と数字」を表示する。
最後に図の色を変えたり、伸ばしたりして見栄えを整えれば完成です。
決算書の比較図鑑/矢部謙介さん レビュー
決算書の比較図鑑は比較縮尺図を用いて、各企業の分析をしている書籍です。
例えば、Jリーグの「川崎フロンターレ」「湘南ベルマーレ」「浦和レッズ」の比較。
例えば、「福岡ソフトバンクホークス」と「阪神タイガースの固定資産税の違いはなぜか?
上記はあくまで一例ですが、比例縮尺図で比較し解説します。
「B to C」企業の特徴や、「B to B」企業の特徴など数字の羅列を見るだけでは分かりにくかった違いが理解しやすいです。
「決算書の比較図鑑/矢部謙介さん」オススメの書籍です。
武器としての会計思考力もオススメ
もともとは矢部謙介さんの書籍は「武器としての会計思考力」を読んでいました。
こちらの書籍も非常に面白い本です。
取り上げている企業が違うので、「決算書の比較図鑑」が気に入った方はこちらも楽しめる事でしょう。
まとめ
比例縮尺図を作成できれば、ビジネスシーンでも役立つことでしょう。
私は個別株の売買をしていますので、企業分析で活躍しています。